紀行

東海自然歩道を歩く(30)
田口--鞍掛山--岩小屋山--守護神社--田口

 平成28年10月7日 池内淑皓

 今回の旅は前日に田口に入り、連泊して自然歩道の難所を空身で通過する。
29日はゆっくり森林軌道敷跡を散策しながら、段戸裏谷にあるログハウスに宿泊。30日は寧比曾岳を経由して東海自然歩道恵那コースに入り、旭高原元気村のログハウスに宿泊予定。
 今回の最終日は、閑羅瀬橋(しずらせばし)で矢作川を越え、岐阜県に入る。颪(おろし)から柏尾に出て、明智鉄道の明智駅に向かった。全行程の概略は以下のとおり。
7月28日(木)晴れ 田口-滝上-千枚田-鞍掛山-岩小屋山-守護神社-添沢-田口(角
            屋泊0536-62-0167)
7月29日(金)晴れ 田口-大名倉-清流公園-段戸裏谷-豊川市屋外センター(きららの
            里泊0536-62-2555)
7月30日(土)晴れ 裏谷-五六橋-寧比曾岳-伊勢神峠-猿が城跡-旭高原(元気村泊
            0565-68-2755) 
7月31日(日)晴れ 旭高原--閑羅瀬橋-黄梅院-颪-柏尾-千畳敷公園-明智駅-恵那駅
            -名古屋-横浜
         ***************************************************
2016年7月28日(木)曇り・晴れ
  田口-(バス)-滝上-(バス)-千枚田→かしあげ峠→鞍掛山→岩小屋山→和市登
  山口→守護神社→添沢→福田寺→田口(角屋泊)

    滝上バス停から千枚田、鞍掛山、岩小谷山、田口までの地図

「四谷から岩小谷山、田口への行程」
 このコースは東海自然歩道三大難所の一つで、ワイヤー設置場所、階段、痩せ尾根の小ピークが多く距離の割に時間がかかるコース。  15km、7時間40分かかる

 前日に田口の角屋に泊まり、宿屋で二食の弁当を作ってもらう、田口発6:25のバスで滝上に行き、ここで千枚田行きのバスを待つ、 バスは7:08発がある

 終点連谷小学校前(廃校)で降り、千枚田に向けて歩く。
 前回6月8日歩いた時に比べ、青々とした稲田が美しい

 地元の方が供養のために登る参拝路を通って「かしやげ峠」に着く。 供養塔が並んでいる
 明治37年の大雨で鞍掛山裾から山津波が発生する、土砂がこの狭い谷に押し寄せ、11人が犠牲になっ
  た。残った人たちが一丸となって土砂を取り除き千枚田に変えた。現在39戸の農家が850枚の千枚田を耕している、山津波に遭った犠牲者はここかしやげ峠に祀られている(案内板より抜粋)。
  この峠はまた、江戸時代伊那街道の一つで、天正元年(1573)野田城の合戦で病に倒れた武田信玄がここを通り甲斐に引き上げている歴史ある峠だ。

   尾根筋に入ると道はすこし緩やかになって、山頂まで10分の表示が出る。

 初めてお目にかかった「自然歩道のキロポスト」 大阪まで612km、東京までは392kmとの表示がある(裏面)、歩き始めて二年半、やっと1/3近くまで来たことになる。ここにはベンチもあるので一休みには丁度良い

「鞍掛山883m」 何となく到着した山、二等三角点があるが、あまり感動しない頂上だった
 この辺りから「山蛭」に食われ放題、暑いから短パンで来たのが間違い。ヒル退治には「塩」が良い
 無理やり引きちぎると、ヒルの歯を残して引きちぎれ、血がいつまでも止まらない。

「障子岩」 一枚岩が、ストンと落ちている、木間越にしか見えない。
 ロッククライミングには最高によさそう

 ここから東海自然歩道三大難所の始まり。北アルプスの岩稜を登山した人であれば、難所ではないだろう。ワイヤーが張り巡らせてあるから、滑落して落ちる事はない。雨であればスリップに注意だ

 ゴツゴツした瘤を正直に越えて行く。この辺りの岩塊は、南北2kmにわたる。
1500万年前設楽海底火山の火成岩だと云う、土地が隆起して安山岩の奇岩が生まれた。

     
   御殿岩

 ほぼ垂直に近い階段を登り終えると岩小屋山頂上に着く。
この階段は新しく付けられ、上りやすくなったと言う、古い階段が垂直にへばりつくようにある

「岩小屋山(799m) 溶岩の一枚岩が隆起した形となっている、見晴は良いが、落ちたらアウトだ 

   頂上から見た鞍掛山と宇連山、遠方に鳳来寺山が見える 

    山頂からみた田口方向

 まだまだ難所は続くが、変化があってなかなか楽しいトレイルとなっている。厳しいが安全

 石峠に出て十三曲りを下ると、和市集落バス停への道を分ける。
難所は越えた、この先に水場がるから、給水してもう一度40分程守護神社まで登り返す、これがきつい。

「池葉守護神社」 難所を越えて和市に降りるとホッとして気が緩む、ここまで登り返すのが嫌になる。
 永禄5年(1562)長篠城主叔父 菅沼満直が麓の和市集落を守るために、岩小屋山に城を築き、城の守護として大明神を祀ったと伝える。社の後ろにある大杉は、北設楽地方一の大杉

 福田寺に出ると田口の集落に到着(寺の説明は明日)
やれやれ疲れた。 今宵のご休泊は福田寺そばの「角屋」に泊まるからよかった。

この項完

[参考タイムを記す ]  田口バス停(6:25)-バス-滝上バス停(6:40-7:08)-バス-四谷千枚田(7:15)→かしあげ峠(8:00-8:10)→鞍掛山(9:20-9:30)→岩小屋山(12:30-12:40)→和市集落(13:35-13:40)→池葉守護神社(14:30)→福田寺→田口(15:40)

東海自然歩道を歩く(31) 田口-大名倉-清流公園-段戸裏谷(きららの里) に続く