紀行

「塩の道」 再訪

  小島 則之

 
「白馬村」塩の道 ウォーキングMAP

 確たる予定もなかった5月の連休。直前に山仲間だった友人に誘われて急遽、4日の白馬村「塩の道」への参加を決めました。はやる思いで友人の車で3日に出発し途中松本に入ると、頂きに雪は少ないですが北アルプス連峰の山々がコロナ禍前と変わらぬ雄姿を見せてくれました。また4年ぶりの安曇野では、国営「アルプスあずみの公園」に寄り、初夏の花木で賑わう広大な園内を巡り気持ちをリフレッシュできました。

 その足で50年来交流のある白馬の宿泊先に到着し、宿主らと懐かしい再会を果たしました。この間、宿主も若い四代目の御夫婦に変わっていて、夕食時には先代や4年の歳月で少し記憶が怪しくなってきた先々代の90(?)歳の婆ちゃんらとの談笑で、久し振りに旧交を温めることができ楽しい時間を過ごせました。

 翌4日は初夏を思わせる青空の下、10qのウォーキング大会に参加しました。スタ−ト、ゴール地点の「白馬グリ−ンスポ−ツの森」に公募で集まった500名の参加者、そして仮装し白馬に乗った村長さんはじめスタッフの皆さんによる出発式。各組20数名ほどに分かれて「白馬マイスタ−」のガイドがついてスタ−トしました。
 「白馬グリ−ンスポ−ツの森」出発風景
道端の花々や桜の花は盛りを過ぎていましたが、北アルプスの雪と青空が対比する眺めは絶景でした。中世宿場の雰囲気を今に残す飯森集落に入ると、十王堂(死者が赴く冥土に10人の王がいて死者の生前の罪業を裁くのですが、その10人の王を祀ったお堂)や、千国街道では長谷寺の石仏群を横に見ながら歩きました。長谷寺は室町前期1391年開基の十一面観音を本尊とするお寺で、多くの旅人の参拝を受け心の拠り所となってきました。更に白馬別荘地を横切る平川を渡ると、鬱蒼とした鎮守の森が境内を取り囲む飯盛 神社鳥居前に出ました。この神社は南北朝時代1381〜84年頃創建といわれ本殿、拝殿、神楽殿等から成り、周囲に石仏群や水田地帯の広がる雄大な景観の中にあります。ここから飯森集落を南下しJR大糸線や姫川を渡り、名残の花の桜並木を横に姫川沿いを東に大出公園へと歩を進めます。

北アルプスを右に平川を行く参加者
 途中「天神の湯」を右に見、白馬養殖場を覗いて姫川を渡り、大出公園に到着しここで昼食を兼ねて小休止をとりました。ここは平成14年から5年の年月をかけて地元住民と白馬村が協力して作り上げた水車の廻る公園で、今では村を代表する観光名所となっています。園内の姫川に架かる歩行者用の吊橋は白馬の風を感じながら歩く人にとってはとっておきの場所だそうで、更に展望台に登ると白馬三山、清流姫川、大出吊橋と公園の桜が見事です。ここを後に詩の小径、木流しかさ地蔵、JR白馬駅を通り出発地点の「スポ−ツの森」にゴールしました。コロナ禍前と違い地元の方の道中の歓迎や「振舞い」はなく少し寂しいですが、青空の下 面識のない人同士が言葉を交しながら爽やか再訪ウオ−クを満喫してきました。なお3日の小谷村「塩の道」は以前と変わらぬ形で行われていますので来年は是非参加したいと思っています。


 
飯森神社鳥居と手水舎    飯森神社 杉木立の中の拝殿と神楽殿 
 
飯森神社脇の4体の石仏群   ウオ−ク途中の北アルプスの残雪
 
白馬:長谷寺のしだれ桜 長谷寺での友人の小倉さん
 
勇壮で立派な長谷寺山門 ウオ−ク途中の残雪と田園風景
 
「白馬マイスタ−」の説明に聞き入る参加者 飯森集落街道沿いの十王堂。なぜ時計が?
 
大出公園の桜と大出吊橋    大出公園の新緑と白馬三山 
   
大出公園の水車小屋    ゴ−ル直後の友人・小倉さん