長寿日本一、川崎市麻生区男女とも1位       秘訣は坂道?

八柳 修之

 5月23日付、朝日、厚労省が2020年の平均寿命を市町村別に調べたところ、川崎市麻生区が男性84.0歳、女性89.2歳でいずれも全国で1位となった。秘訣は坂道?と報じている。麻生区は川崎市の南部、多摩丘陵に位置し里山を切り開いて開発した所、小田急線新百合ヶ丘駅(1974年開業)を中心に広がるベットタウン。面積23.11?、人口163千人。面積、人口とも藤沢市の約3分の1。面積の約3分の1は農地や山林である。「どこに行っても坂道ばかり。足腰が鍛えられて健康な人が多いかも」と住民の声。区の呼びかけで始まったウォーキングのほか体操やスポーツ活動、駅前の文化施設でのイベントなど,心身の健康を図る取り組をしていることを理由として挙げている。週刊誌「女性自身」によると区が昨年度65歳以上を対象として実施した高齢者実態調査で「15分位続けて歩いていますか」という問いに対して88.2%の人が出来ているとの回答であった。田中喜代次筑波大学教授(スポーツ医学)は、長生するため大切なこととして、足腰を鍛えるための運動、食生活・検診、趣味やボランティアなどを通じて他人と関わることを挙げている。

 ところで、わが棲むまち藤沢市の状況はどうであろうか。藤沢市の平均寿命は男性83.6歳、女性87.9歳である。
藤沢市の人口(4月1日現在)444,860人(男性220,121人、女性224,739人)となっているが、65歳以上の高齢者は170,092人(藤沢市人口の38.2%)、男性72,316人(市男性人口の同16.2%)、女性97,776人(市女性人口の22%)である。これを13地区別にみると、湘南大庭地区が最も高齢者が多く16,493人(地区人口32,124人の51.3%)、男性7,381人(地区男性の47.6%)女性9,112人(地区女性の54.8%)となっている。以下順に高齢者の多い地区は御所見46.5%、片瀬45.2%,長後42.1%となっている。最も高齢者が少ないのは湘南台地区で地区人口32,816人のうち29.7%で3人に1人が高齢者となっている。

 麻生区と地形が似ているのは善行地区である。台地と谷間が入り組んだ地形のため坂が多く善行駅が丘の中ほどにあるので、駅からどこへ行くのも坂を上り下りする必要がある。善行地区の人口は41,916人、うち65歳以上の高齢者は18,170人(地区人口の43.3%)。男性7,608人(地区男性の36.7%)、女性10,562人(地区女性の50%)となっている。北部のUR都市機構善行
テキスト ボックス:
善行駅西口 善行坂より望む富士山
団地は1962年~66年に開発されたところで、2,338所帯、人口4,220人(所帯1.8人)、一人暮らしか二人暮らしである。善行駅から団地までは坂道で徒歩11~19分かかる。往復バスもあるが、団地内にスーパー、商店、郵便局、ATM、医療機関もあるので日常生活には事欠かない。善行の地名の由来は江戸時代初期まで善行寺というお寺があり善行寺村と呼ばれていた、善行は坂の街といわれ、2012年1月、地区内9坂について愛称が付けられた。坂の街、脚を鍛え文化活動も盛んな善行に暮らす人々の平均寿命を知りたいものだ。
参考引用資料:5月23付朝日、5月29日「女性自身」、藤沢市統計資料「地区別年齢別人口」  UR都市機構HP  Wikipedia