紀行



  中村 弘道

  昨年来新型コロナウィルスの感染拡大が社会問題化する中、FWAウォーカーには拠り所の月例活動などが長期間足止めされる異常事態が続いています。
そんな中で自称アルピニストは感染予防として3密を避け行動できる山歩きをしていました。行先は近県の山梨、静岡などに絞ってですが、唯一神戸の六甲山系には出向きたい願望がありました。
理由は会社の先輩が紹介してくれた神戸の“歩くスポーツ”の祭典『六甲全山縦走大会』でした。この競技、六甲山系の西から東の端まで50数キロに及ぶ険しく長い道のりを踏破するユニークかつ過酷な山歩きで毎年11月2回実施されています。
物見高い私は大会MAPなど情報を入手し“自分流に全山縦走路を完歩したい”と考えました。折しも大会は感染拡大予防の爲中止となったので観光窓口へ確認したところ、個人・グループでの六甲山系ハイキングはできます!とのこと。早々11月10日から
4泊5日【縦走11〜13日】の2人旅が決まりました。
コースは六甲山系西端の須磨浦公園がスタート地点で最高峰の六甲山から東端の宝塚がゴール地点で延総距離53Km。計画は3日間ですがコロナ禍コース途中の宿泊施設が利用できず2度の一時下山を余儀なくされ、行程にいささか不安を抱えた。

須磨アルプス

初日 須磨浦公園駅から暗闇の中をスタート!中腹の展望所から須磨浦の日ノ出を望みながら山旅の安全を祈った。急登が続き400段の急階段の洗礼も受けたが栂尾山(312m)の展望所に来ると神戸港から瀬戸内の明石海峡大橋と淡路島一望の大パノラマが飛込んで一息つく。やがて山系唯一の景勝地須磨アルプスに入り、花崗岩の「馬の背」からは右に海、左に街を見渡すここならではの景色に脚を止めた。
その後独立峰高取山(神社)から急登の難所がある菊水山と鍋蓋山をクリアし目的地点《25Km》市ガ原には漸く到着。ここから暫く下山してハーブ園ロープウェイ駅より麓駅へ、三ノ宮駅近のカプセルHへは今少しだ。

2日目 6:00発で新神戸駅の北側から登山を開始。
名勝「布引の滝」で朝食タイム、神戸港の見晴し台、ダム湖百選の布引貯水池を経て出発地点の市ガ原に到着、緩やかな稲妻坂と難所の天狗道を登り切ると摩耶山(698m)に到着した。展望所の掬星台から神戸を一望し、山道とドライブウエイに沿い目的地点《Km》記念碑台に向かった。道沿いに保養施設や高級別荘が目に入りここがリゾート地の六甲であることを実感。記念碑台では六甲山開祖のアーサー氏と六甲山系の生立ち・歴史に触れた。宿へは六甲ケーブルとバスを利用し下山、神戸学生青年センターに予定内に到着、緩やかな疲れで一番風呂に浸かりほっこり!

3日目 6:30発 始発のバスとケーブルで六甲山上駅まで一気に高度680mを確保し、軽いウォークで記念碑台に到着する。今日はゴールまで《19Km》の歩程であるが気を緩めずにスタート。早朝の心地良い六甲ゴルフ場を抜けると六甲ガーデンテラスに到着、この広場の北には有馬温泉へ至るロープウェイがある。
尾根道を1時間程で待望の六甲山最高峰(931.1m)へ。

 
六甲山最高峰(同行高橋氏)   ハーバーランドから六甲山系

気持ち良い頂上広場が迎えてくれたが眺望は霞がかかり今一。これより六甲東陵は近畿自然道の“バカ尾根”と称され急勾配と登り下りが多い。大会時ランナーの喘ぐ姿が?我が身と重なる。樹林帯を抜け塩尾寺を過ぎると宝塚市街が一望でき一安心。
この先アスファルトの長い下り坂は少々老体に堪えながら、楓が色付く湯本台広場へ無事ゴールイン。Bravo!
*歩行距離:全縦走53Km 下山区間8.5Km *歩行時間:24Hr
                  ◆
折角の遠征で六甲山系に留まらず、六甲アイランド・美術館、元町・南京町、アベノハルカス・通天閣を見聞し、〆はハーバーランド(三田屋)で全縦を紹介頂いた先輩、同僚とも合流し山旅を振返った。