随筆

歩くことの楽しさ 面白さ


小林 淑人

 私がウォーキングをやろうと思ったのは、「ボケ老人」や「寝たきり老人」になりたくなかったからである。ウォーキングや山登り等の経験がないので思い悩んでいた頃、FWAの会報を知り入会しました。そして一年の月日が経ちました。

 私は初めからKWAの比較的長い距離を選んで参加した。歩き初めが団体歩行でなく自由歩行だったので、皆さんの歩く速さに驚いた。スタートの頃はまだウォーカーはいるが、半ばを過ぎると前後に歩いている人影が見られなくなってしまう。知らない土地なので道に迷い、近くの人に道を教わりながら、やっとの思いでゴールしたこともあった。また別の自由歩行では、冷たい風雨の中、寒さのためか足が思うように動かなくなり、リタイアを考えたが、歩いているのは私一人になって、ついにはおぼつかない足どりにでゴールした。だがゴール後しばらくすると、悪条件の中でも完歩できたという達成感が体の中から湧いてきて、歩くことの楽しさを体中に感じ苦痛が喜びに変わった。

 このようなことを繰り返しながら、歩く楽しみを体に浸み込ませることができたのだと思う。木々の茂る林の中へ入ると、木漏れ日の美しさ、木々を渡る風の音、野鳥のさえずり、セミしぐれ等が聞こえ、心が癒されます。道路や川沿いの道を歩いていても、道端に多くの野草があり、多彩な色の花が咲いている。「雑草という名の植物はない」という言葉があるそうだが、一つ一つの花にも名前があり、名前の数だけ命があるということだろう。そのような植物の名前を図鑑等で調べ、覚えていけば、歩くことの面白さが倍増すると思うが、私には出来そうもありません。趣味は「歩くこと」と答えられるよう、これからもウォーキングを続けていきます。